安倍昭恵さんと一緒に振り返りたい「主人の言葉」【適菜収】
【隔週連載】だから何度も言ったのに 第81回
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■心に残る「主人の言葉」
「ウラジーミル。君と僕は、同じ未来を見ている。行きましょう、プーチン大統領」「ゴールまで、ウラジーミル、二人の力で、駆けて、駆け、駆け抜けようではありませんか」
主権問題を最初から棚上げ。プーチンに会えば、体をくねくねと動かし、瞳を潤ませ、全力で恭順の意を示したが、北方領土をむしり取られただけだった。もはや売国奴ですらない。国土に熨斗(のし)をつけてロシアに献上したのだから「献国奴」である。
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「今日に至るまでUPFとともに世界各地の紛争の解決、とりわけ朝鮮半島の平和的統一に向けて努力されてきた韓鶴子総裁をはじめ、皆さまに敬意を表します」
反日カルト統一教会の広告塔だった安倍晋三。UPFは統一協会の開祖である文鮮明とその妻の韓鶴子がニューヨークで創設したNGOである。安倍はUPFの大規模集会にビデオメッセージを送り、感謝の言葉を忘れなかった。
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「なぜゴルフをするのか。北朝鮮からミサイルを撃ち込まれたら日本は打撃力がないから米大統領に電話して、『報復してくれ』と頼む。報復するかもしれないから北朝鮮はミサイルを打たない。私がトランプ大統領としょっちゅうゴルフをしたのは、こんなに仲がいいから『安倍が電話をしたらトランプは報復する』と抑止力のためにゴルフをやっていた。ご理解いただきたいと思います」
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こんな話を得意げに話す精神の幼児。人治国家か。ゴルフ仲間という理由で他国のために軍隊を出す国があるはずがない。
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「北朝鮮の問題、拉致問題は私自身の責任で解決しなければいけないという強い使命感を持っている」
2018年6月16日にはこう言っておきながら、同年9月14日には「拉致問題を解決できるのは安倍政権だけだと私が言ったことは、ございません」。毎回このパターン。「私の世代が何をなし得るかと考えれば、自衛隊を合憲化することが使命ではないかと思う」と言っておきながら、「(自衛隊を)合憲化するということを私は申し上げたことはありません」。「国際公約でもある財政健全化に向け、中期財政計画を早期に策定するなど、経済成長と財政健全化の両立を目指してまいります」と言っておきながら、「私は(財政健全化を)国際公約と言ったことはないんです」。「民主党政権は悪夢だった。間違いなく」と言っておきながら、「国会答弁で悪夢のような民主党と答えたことはない」。根からいい加減な人間だった。
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「累次にわたる言わば国連決議に違反をしたのはイラクでありましてそして大量破壊兵器がないことを証明できるチャンスがあるにもかかわらずそれを証明しなかったのはイラクであったということは申し上げておきたい」
アメリカの最終報告書は、大量破壊兵器は存在せず、具体的開発計画もなかったことを明らかにしている。これは「悪魔の証明」問題。ないことの証明はできない。挙証責任は当然イラクにはない。安倍はイラク戦争についてまったく理解しないままイラク侵略を正当化した。
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「シリアからの難民、現政権にも大きな原因がありますが、同時にイスラム国、ISILの振る舞いにも大きな原因があるわけでありますし、トルコからの難民はまったくそのとおりであると言ってもいいと思います」「ISILがトルコ、イラクに侵入して行った結果、多くの難民が発生した」
意味不明。トルコは難民の受け入れ国である。当時、シリア内戦を逃れて、トルコに非難したシリア人は250万人を超えていた。また、イラクの難民もトルコに逃げ込んでいた。知らないことをペラペラ喋る。
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